事の発端は、スカに悩まされるあんさつまんを救済するため
そこそこ当てられる装備を整え、あとは入魂術で付与を埋めるだけというときである。

せいぜい5000貫、高くても1万貫だろうとタカをくくっていたのだが
提示された金額は1回あたり3万貫。
昔は大量にいた中華業者もいまでは一人。
独占商法とはかくも残酷である。
絶対払ってやらねぇという意地が、眠っていた何かに火をつけたらしい。
星野山党首、やってやろうじゃないか。
運営から何一つ手の加えられない忘却のコンテンツ
別名、中華の巣窟。
ここより貫は生まれ
ここから廃装備が生み出される。
各フロアの難解な仕掛けをモノにできるのは
病的な熱意を以って挑み、理解した者だけである。
そんな折に。
星野山へいく仲間を募集中!
なんともタイムリーな募集である。
すかさず飛び込んだ。
抑えきれない衝動が伝ったのか、先導を任された。
狭い通路を進むたびに、かつての感覚が蘇る。
忘れていたはずの道順が
忘れていたはずの仕掛けの数々が
なによりも失っていた情熱が蘇ってきた。
党員にはかつての星野山を知る人や
中級クエに乗っかってきた初心者。
こんなに楽しいものだろうか?
私はオフラインプレイのために4アカをしているのではない。
いくら星野山が好きだからといって、7アカをやることはない。
与えるものと与えられるもの
その間に、たまに生まれる化学反応を楽しんでいるだけなんだ。